最低ランクの鉄道に…!!
これは4~5年前にインド旅行時に体験した話大学生最後の休みに卒業旅行も兼ねて北インドを旅したんだけど、いろいろ衝撃だった。
その中でも鉄道が一番インドらしさを感じる体験だった。
まず予備知識としてインドの鉄道は常に満員だ。無賃乗車し放題だからなのも一理あるけど、単純に人口多すぎる。時刻表もあってないようなものだし、24時間遅延するとか、急に到着するプラットフォームが変更とか日常茶飯事。日本の技術ってホントにすごいんだなと実感した。
そんなインドの鉄道は、座席クラスが細かく分かれている。
一番上から、
エアコン付きのファーストクラス(1A)
エアコン付きセカンドクラス(2A)
エアコン付きサードクラス(3A)
金持ちインド人と旅行者の外国人はだいたい1A~3Aに乗車する。
日本のバックパッカーは割と頭がおかしめなのでエアコンなし3段ベッド寝台スリーパークラス(SL)に乗っていたりする。ちなみに私の移動手段は基本SLだった。(たまに2A乗ったかな?)
あと、メジャーなルートでは外国人専用窓口があって外国人枠でチケットが買える。1A~SLくらいまでは外国人枠で買うことができるんだけど、その枠はかなり少ないから2~3日前に買っておかないと売り切れてる可能性が高い。
鉄道チケットなんて「当日でも買えるっしょ」と貴を括っていた私は、外国人専用窓口でSOLDOUTを告げられる。バラナシの駅で猛烈に焦りだす日本人。「なんとかしてコルカタに行かなくてはいけない」と伝えるが、結果はNO。貧乏学生の私はすでにコルカタ発-バンコク行の航空券を買っていたのである。
確か、バラナシからコルカタまでは鉄道で15~18時間くらいかかる。
あと35時間でバラナシからコルカタに移動し出国しなければならないのである。そして何より一番やばいのは私のインドビザ有効期限は明日まで。
猛烈にやばい。
なんとしても35時間以内にコルカタに着かなければならない。
もう背に腹は変えられん。
外国人が乗車できる最低ラインのSLより更に下、セカンドクラス>サードクラス>>>ジェネラルクラスに乗ってでもたどり着くしかない。
ジェネラルに至っては無賃乗車しかいない。
カオス感満載、外国人が一人で乗るなんて犯罪が起こる気しかしない。
個室ブースになっている外国人専用窓口から、チケットを求めるインド人で溢れかえった一般カウンターへ並ぶことにした。インドは宗教的に男に権力がある。女は黙って男の後ろを歩け的な雰囲気なので、チケットカウンターにはデブなインド人男で溢れていた。
「はぁ~ここに並ぶのか」と心が折れそうになりながらも並んでみた。
30分くらいたっただろうか・・・列は一向に進まない。
なぜならみんな割り込みするからだ。
列が進んだらそのスペースに横入りされる。結果、後ろは全く列が進まない。むしろ横入り用の列ができているからね(笑)
もちろん後列は割り込みにブチギレているが、それでもスキを見ては割り込みを成功させる。「マジでインド人のメンタルハンパねー」と思った。めげない精神ダイジネ。
割り込み対策として並んでる列の隙間を空けないのがインドの常識。つまり距離感ゼロ、前の人の背中に自分のお腹をくっつけて割り込みを阻止するのだ。
これを間近で見てたからどうしても列に並びたくなかった。
パーソナルスペースに敏感な日本人が、距離感ゼロ+ワキガ(カレー臭)にまみれて並ぶなんて拷問だよ。
そして永遠に進まない列、後ろからの腹アタックに耐える苦行、もう言いたくなっちゃったよね。
「インドなんて二度と行くかボケ」
かれこれ1時間くらい並んだでしょうか。私の気力が限界に達しもう諦めかけたその時、隣に来た割り込み予備軍のオジサンが列を抜けてカウンターに行けとジェスチャーしてくる。
つまり割り込みしてチケット買えってことである。
インド人まみれの中に日本人ひとり挟まれてるのを不憫に思ったんだろう。2~3分迷った末に、私は列を飛び出し割り込みに向かった。可愛そうな黄色人種感を全面に出し、すぐにチケットを買わなきゃいけないアピールを全力でした。
その結果、割り込み購入に成功!
ありがとう、私に割り込む勇気をくれたオジサン。
私も割り込みクソヤローと同格になれたよ。
なんだかちょっと成長できた気がする。
インドって最低な詐欺師が沢山いるけど、それ以上に優しくて人情味に溢れてる人も沢山いる。
インド旅は優しい人に助けられてなんとか安全に過ごせた。確か15分後くらいに出発するチケットが買えて、チャイとサモサ(インドのコロッケ)を急いで買って乗り込んだ。
インドの鉄道には女性専用車両(レディースコーチ)があってそれに乗りなさいとアドバイスを貰った。一番後ろ車両で乗車率低めで座れた。車内ではインド人のおばさん達にピーナッツとかバナナとかおすそ分けしてもらいながら無事コルカタに付きましたとさ。
え、お前女だったのってインドを一人で旅する物好きな女もこの世にはいますよって話。