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『アメリカ』基本情報
2015年公開
93分
ヒンディー語・英語
監督 プラシャント・ナイール
出演
トニー・レヴォロリ
アディル・フセイン
プラティーク・バッバル
アミット・シアル
『アメリカ』の評価
ビーグル情報館独自の評価です。
全体
物語
配役
音楽
踊り
なし映像
演出
一言コメント
全体的に鬱々しています。インドの貧困層の等身大の姿が描かれているのかな…と思います。
インド映画『アメリカ』あらすじ
小さな村に住む主人公が6歳の時、主人公の兄はアメリカに行く。母親はそんな兄に過度な期待を抱いており、いつかアメリカで大成すると信じてやまないが、手紙が来ないためノイローゼになってしまう。
ある日、兄から家族宛の手紙が来るようになり家族は平穏を取り戻す。しかし、父親の死により母親は主人公の兄が居ないことを嘆く。
そこで、主人公はアメリカに兄を探しに街に出て行くが…。
アメリカコンプレックス

この映画の中でのアメリカコンプレックス
この映画では、母親がものすごいアメリカコンプレックスを持っています。母親の親戚にアメリカで一旗揚げてお金持ちになった人がいるためです。
そして、子供にも「アメリカは素晴らしい」という価値観を押し付けて育てます。
しかし、母親以外はさしてアメリカには興味がない事は皮肉に見えます。
インドはどちらかと言うとイギリスコンプレックス
インドは長くイギリスの支配下にありました。
その為、イギリスに対する感情は複雑で「憧れ」「嫌悪」など相反する感情が入り混じった複雑なものとなっています。
また、洋風のもの=セレブ、上流階級と言うイメージもあるため、西洋風のトイレや持ち物、家などはステータスシンボルにもなっています。
しかし、アメリカも西洋諸国ですし、「アメリカに行って成功する」こともインドでは典型的なビッグドリームになっているため、アメリカコンプレックスも根強いでしょう。
アジア人の白人コンプレックス
アジア人の中でも日本人と韓国人は白人コンプレックスがかなり強い国と言います。
特に、韓国では白人を狙ったレイプが問題となっている昨今、歪んだ白人コンプレックが渦を巻いているせいでもあるでしょう。(それだけじゃないにしても)
アジア各国では、国が豊かになり外国の化粧品が入ってきたり身なりに使うお金が増えると、茶髪に染めたり美白商品が固定的な人気を持つのも白人コンプレックスからだと言われています。
アジア各国では欧米諸国の植民地だった場所や、戦争で負けた国も多く、元々白人に対するイメージが歪んでいることや、流行りのハイブランドはアメリカ・ヨーロッパのものが多いこと、世界を牛耳っている国は欧米と言うイメージが強いこと、が原因だとされています。
映画の感想
この映画ではアメリカコンプレックスの母親に夢を見せ続ける主人公にとても歯痒さを覚えます。
また、そんな主人公にとって希望であったアメリカにいる兄と、インドの田舎街で再会してしまった時はなんともいえない不憫さを感じます。
あまり踊りもなく、淡々と物語は進んでいきます。
コメディ色も全く強くありませんがドキュメンタリー的で面白いとは思います。
もう一度見たいとは思えないけど…。
まとめ
インドの村の生活などがリアルに描かれているため、農村部での生活が気になる人にはオススメの映画でしょう。