【★4.3】『PK』宗教がテーマのインド映画から感じるインド社会の絶妙なバランス

インドコラム

 

こんにちは、ビーグル情報館です。

今回は『きっと、うまくいく』と同じ監督、同じ主演のインド映画『PK』について話していきたいと思います。

『Pk』基本情報

2014年公開

153分

ヒンディー語・英語

監督 ラージクマール・ヒラーニ

出演

Pk役 アーミル・カーン

ジャグー役 アヌシュカ・シャルマー

サルファラーズ役 スシャント・シン・ラージプート

『Pk』の評価

ビーグル情報館独自の評価です。

全体

物語

配役

音楽

踊り

映像

演出

一言コメント

宗教がテーマでしっかりとした問題提起があるものの楽しんで観れる映画でした。

『PK』のあらすじ

人間の見た目をした裸の宇宙人はインドに着陸。しかし宇宙船のリモコンをたまたま居た地球人に盗まれてしまい、自分の星に帰れなくなってしまいました。

同じ日、ベルギーではジャグーという女性が、サルファラーズという男性に出会い、恋に落ちていました。しかし、二人は哀しいことにすれ違ってしまいジャグーはインドに帰国。

 

テレビ記者となったジャグーはたまたま宇宙人と出会い、テレビのネタになりそうだと興味を覚え、交流をするうちに宇宙人の星に帰れない事情を知りました。

そこで、宇宙人のリモコンを取り返す事がネタになると思ったジャグーは協力することに。

二人は無事にリモコンを取り戻せるのか?

インド社会の絶妙なバランス

イスラム教徒の多いボリウッド界

主にメジャーな宗教はヒンドゥー教、イスラム教でこの二大宗教だけで94%近くを占めています。その他のシク教、キリスト教、ジャイナ教、仏教は少数派です。

特にイスラム教徒とヒンドゥー教徒は微妙なバランスを保っています。

インド映画では「多数派のヒンドゥー教に多少押されがちなイスラム教、それに反発する過激派のイスラム教徒」という縮図がよく表現されています。そして、「宗教に捉われず国で一丸とならなくては!」といったメッセージが強く押し出されている映画も多いです。

しかし一般的なヒンドゥー教徒のインド人からすると、「ボリウッド映画はイスラム教徒を美化しすぎだ」とも言います。特に今作『Pk』では、「ヒンドゥー教の神様のことはネタにしていたのに、アッラーをネタにしていた描写が少なかった」と不当感を感じてこの映画が好きじゃない人も一定数いたようです。

それもそのはずで、ボリウッド映画界の俳優さんや制作陣は実はイスラム教徒の人が数多くいます。特に「Khan」という苗字はムスリムの家系の苗字で、あの三大カーンは皆イスラム教徒の人なのです。

しかしインド映画の中でイスラム教徒の俳優さんがヒンドゥー教徒を演じたり、ヒンドゥー教徒の俳優さんがイスラム教徒を演じることは普通のことで、そこに疑問を感じているインド人の人はあまり多くありません。(完全にいないわけではない)

私もサルマン兄貴の演じる敬虔なヒンドゥー教徒は死ぬほど大好きです。

イスラム教徒の人が多いボリウッドで作られる映画は、ヒンドゥー教徒にかなり配慮していますがそれでも多少イスラム教徒よりのコメントになってしまうときもあるようです。

カーストという文化

インドでは良くも悪くもカーストという文化が色濃く残っています。

私自身日本人なのでインド人の感じている「カーストというものの息苦しさ」を経験したことはありません。しかし日本の社会の教科書に載っている「人の上下関係を生まれながらにして決める」ためだけではなく、手厚い相互補助システムとして成り立っています。

というよりも「親戚の集まり」として考えるとしっくりくるかもしれません。

日本でも地方に行くと「ああ、、○○村の△△さんのお孫さんね」と言って通じる場面は少なくないかと思います。そして△△さんとの関係がわかると○○村では仲間として認めてもらえて、何か困ったときは助けてもらいやすい、そういったシステムがインドではカーストの上に成り立っています。

ムンバイなどの仕事を比較的自由に選べる大都市ではカーストも関係なく仕事をすることもできますが、自分の村や出身地から動かない場合、親戚の紹介(同じカーストの人からの紹介)で仕事に就くことになります。

インドではお見合い結婚が主流な理由として「同じカースト内・同じくらいの経済観の家同士で結婚した方が長期的にみてうまくいきやすい。」という価値観があるからです。

そしてカースト内(親戚関係)の結束が強くなり、持ちつ持たれつのコミュニティが出来上がるのです。

微妙なバランスで成り立つインド社会

インドは国内だけでもありえないほどの多様性があります。

宗教の問題もありますが、暮らしている地域の特色の差や、イスラム教と一緒にやってきたアーリヤ系の祖先由来なのか、土着のドラヴィダ系の祖先由来なのかという人種の差まである場合があります。

しかし日本人が思っている以上にインドの人は他人に対して寛容です。

日本にいると初対面の人に「なぜこんな事もわからないのか、常識だろう」と責められることも少なくありませんが、インドの人はインド人同士でもバックグラウンドが違うことを理解しているので、ことさら外国人に対してはきちんと説明してくれます。その説明がわかりやすいとは限りませんが。

自分(家族の)の名誉や権利が侵害されたと感じない限り、他社のコミュニティに攻撃的になることも少ないとも感じます。(余談ですがインドの人は商売っ気が強いので攻撃的にならなくても「だめでもともと!」といった感じで交渉を持ちかけてくることが多いですが、悪気はありません。)

個人的に「あの宗教の奴らは肉を喰うからけしからん!」と思っていても、大激怒するきっかけがない限りは突然喧嘩を仕掛けることは普通の人はしないのです。

信仰の権利をはく奪されるようなこと、例えば自分の信仰しているお寺が取り壊される、自分の信仰しているモスクが移動になる、などは強く嫌い、強く反発します。

逆に「自分の(家族の)名誉や権利が侵害された」がない限り「よそのコミュニティは自分のコミュニティとは関係ないし…」と他人の生活を尊重する懐の深さがあります。いろいろな要因はあると思いますが、適切な距離感で他人を受け入れることのできる深さと、カーストによる相互補助、宗教間の政治的な利権のバランスの上で今のインド社会は成り立っていると思うのです。

そのためインドを理解するためには宗教への理解、基本的な知識は必須でしょう。

インド・パキスタン問題

Pkではジャグーの恋人、サルファラーズはイスラム教のパキスタン人で、家族が交際を強く否定します。

先ほど他の文化に対して寛容とは書きましたが、パキスタン・バングラデシュに関しては元々一つの国だったこともあり、複雑な感情が根強く残っています。

インド人の友人曰く「兄弟喧嘩をして家を出ってた兄弟とは連絡を取りにくいでしょ。」というコメントをいただきました。お互い地理的にも文化的にも近いため、どうしてもお互いを意識してしまう部分が強くあります。

インド独立を経験している世代や、その世代の子供世代はパキスタンへの嫌悪感を強く抱いている人も少なくありません。特にデリー近郊や北西部では、出身地はパキスタンのほうで、独立の混乱時に命からがらインドにたどり着いた人や、親戚が動乱に巻きこまれて死んでしまった人も多くいます。またパキスタン側でも、インドから追い出されてしまったという恨みつらみなどもありますし、一言で語れるような関係性ではないようです。

私もまだまだ勉強不足だなと感じる部分も多いです。

『pk』感想

アヌシュカさん演じる、ジャグーが可愛すぎる

アヌシュカさんマジ美人で惚れます。全力で惚れさせに来てる!!!!

 

スクーターに乗ってるだけで麗しい。


Credit:https://www.google.co.jp/amp/s/m.filmfare.com/reviews/movie-review-pk-8013.amp?source=images

ショートカットで現代的な感じもたまらなく好きです。好き〜〜!!!!!!!

 

インドの宗教を知る事ができる

高校の地理の時間でやった記憶はあったけど、実感が湧かなかった問題がこの映画を観るとイメージが掴めるようになります。

「そういえばこんな宗教の話も聞いたな」って感じで勉強になります。

地理でインドの地誌をやっている高校生は観てみるといいかもしれません。

 

それに、「確かに宗教って概念がなかったらこう思うだろうな」って事も随所に散りばめられて居て、観て居て納得できます。

 

新興宗教のノリ!

新興宗教みたいなもののノリはどこでも同じなんだなと思いました笑

どっかの宗教の人に怒られるけどインド版○○○○みたいな人がめっっっっちゃ民を導いてて死ぬほど笑いそうになってしまった。どこの国も変わらんやんけ!!!って。

話もとても面白いし、あんまり宗教色の強くない日本人でも観やすく共感しやすい内容です。

インドの宗教事情をまっったく知らなくても作中で説明をしてくれるので安心して観れます。

 

まとめ

インドに旅行に行く前とかに観ると、宗教的なバックグランドを少しだけ理解する事ができて役にたつかもしれません。

 

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