日本で12月公開のインド映画『PADMAN』のモデル、アルナーチャラム・ムルガナンダムってどんな人?

インド映画

日本では未公開の『パッドマン』ですが、インドでは2018年1月に公開されており話題となっていたようです。

 

『パッドマン』とはどんな話?

『パッドマン』はインドでは生理用ナプキンの普及率がまだまだ低かった時代が舞台。

妻のために生理用ナプキンを開発し、その発明がインド全体に革命を起こすという話です。

 

この話はフィクションではなく、実在の人物がモデルになっているという所が特徴でしょうか。

その為、以下の話を読むと激しくネタバレになるので、12月の公開まで温めておきたい人は読まないほうが良いかも…。

 

 

モデルとなったのはムルガナンダムさん


Credit:https://www.sonypictures.jp/corp/press/2018-08-30

ムルガナンダムさんは1962年生まれで南インド出身です。

 

30で初めて生理の存在を知る

10代の頃にトイレにおいてある血のついたボロ布に恐怖を覚えたものの、「なぜ置いてあったのか」「誰が使ったのか」は分からないまま大人になったムルガナンダムさん。

 

しかし、30代で結婚したムルガナンダムさんは妻が血のついたボロ布を持っている事に疑問を覚え、しつこく妻のシャンティさんに聞いたところ「生理」の存在を初めて知ります。

そして、インドのような貧富の差が激しい国は生理用ナプキンを支えるのは一握りの女性で、殆どの女性はボロ布をナプキン代わりに使っている事を知ります。

 

また、ムルガナンダムさんがその事を知った1990年代ではインドでのナプキン普及率は1割程度でした。

 


https://stylewhack.com/padman/

 

同時にナプキンについて妻から説明を受けるとムルガナンダムさんはある疑問に思います。

「なぜシャンティは使わないんだ?」

すると、妻は「とても高価で食費を削ることになるから」と答えました。

 

 

また、生理中は家畜小屋に閉じ込められて過ごす女性も少なくなかったそうです。

 

 

高くて買えないなら自分で作ればいい!!

ムルガナンサムさんは、高校1年のときに手織り工の父親が交通事故で亡くなってからは学校をやめて働き、現在は溶接業を自営しているそうです。

 

ムルガナンサムさんはシャンティに生理用ナプキンをプレゼントしようと決めました。

薬局でナプキンを購入するとすぐに古新聞でナプキンはくるまれ、まるで違法薬物のようにラッピングをされ渡された事に驚いたそうです。

1998年に購入したときは8袋で20ルピー(3日分の食費に相当)でした。

 

元々分解する癖があったムルガナンサムさん。

帰宅するとすぐに、生理用ナプキンを一つ取り出し、分解しました。

しかし、いくら切り裂いても圧縮した綿しか出てきません。

1/10ルピーもしないたった10グラムの綿が、90%のインドの女性に手が届かない価格で売られているのが不思議で仕方がありません。

 

分解していないナプキンを全て妻に、プレゼントをしたマンガナンサムさんは自分でナプキンを作る決意をしました。

 

 

試作品一号

たまにプレゼントをした翌日から早速ナプキン作りに取り掛かりました。

最初にコインバトールの織物工場を訪ね、一番やわからい綿を購入。

綿を布切れに包んで縫い、最初の試作品が完成しました。

 

しかし、試作品を使用した妻に「こんなナプキンは使い物にならない、やっぱりボロ布の方がいい」と言われ落ち込むムルガナンサムさんでした。

 

俺の試作品を誰も試してくれない

試作品一号が失敗に終わり、さらに改良したものを作ったムルガナンサムさん。

そして、妻に試すようにお願いしたところ「生理は月に一度しかないからすぐには無理」と言われ、月に一度しかない事を初めて知ります。

 

また、インドでは生理中の女性はお祈りができない習慣と、生理の話はタブーとされて居るため姉や妹に頼んでも要領の得ない返事しか返って来ない。

 

更に、許可を貰って近くの医学部の女子寮の生徒に試してもらっても、あまり明確な回答は得られずムルガナンサムさんは途方にくれてしまいました。

 

誰も試してくれないなら自分で試す

古いゴム袋にヤギの血を満たし、自分の腰に巻きつけ、チューブをつなぎ、パンツにしたたり落ちる仕組みの生理体験マシーンを発明。

この生理体験マシーンを装着し、コインバトールの通りを歩いたり、自転車に乗ったりしたそうですが、

結果はひどいものでした。

 

自作のナプキンは全く役に立たず、ムルガナンサムさんのパンツを血まみれにしました。

ムルガナンサムさんは生理中の女性がいかに大変かを身をもって体験し、よりナプキンの開発に熱を入れました。

 

妻に逃げられる

生理用ナプキンを作ることは言っていたものの、作っている詳細は伝えていなかったムルガナンサムさん。

妻に、「女子大の生徒と仲良くして居るという噂を聞いたのだけど…」と言われ家を出ていかれてしまいます。

 

 

やっと素材が判明

ついに、素材が普通の綿ではない事に気付いたムルガナンサムさん。

そこで、アメリカのナプキンの会社に電話をし、素材を少し送ってくれないかとお願いをしたところ、運良く聞き入れてくれた会社がありました。

 

しかし、届いたサンプルを見て、ダンボールのような硬い板のような素材が「吸収用の素材」だった事を知り、困ってしまいます。

 

Good Job 犬

ムルガナンサムさんが頭を抱えていた時、買っていた犬が素材の入ったダンボールをひっくり返し素材を引っ掻いてしまったそうです。

しかし、引っ掻かれたところから繊維のようなものを発見し、その段ボール状の素材は、マツの樹皮に由来するセルロースを圧縮したものだとわかったのです。

 

そして、作り方のわかったムルガナンサムさんはやっと方向が見えてきました。

 

 

お金が必要

作り方は分かったものの、製造に必要な機械を導入するお金や作業場の拡張などでよりお金が必要になったムルガナンサムさんは、溶接業以外にも屋根の修理なども請け負うようになりました。

 

そんな姿を見た村人はムルガナンサムさんが悪魔に取り憑かれたと勘違いしてお祓いをしようとしたり、

なかなか良いナプキンができなかったりと試行錯誤の毎日でした。

 

試行錯誤を繰り返す事4年

試行錯誤の日々は、4年半も続きました。

圧縮されたセルロースの塊を壊してフワフワの繊維に加工するには、大きな肉挽き機が必要である事に気付いたり、シンプルなプレス機も考案した。

 


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素材を圧縮し、厚みのあるパッドを作ることができるようになりました。

 

完成していた…

2004年の終わり、新作を持って医学部を訪ねたムルガナンサムさん。

 

そこで、「あなたの作ったナプキンを使うときは、生理中だということを忘れてしまうのよ」というコメントをもらい、ムルガナンサムさんは笑顔になりました。

 

初めてナプキンを買った日から、6年もの月日が流れていたそうです。

 

受賞もして、妻も帰ってきた!

彼の発明は、地域のイノベーションコンテストに入賞し、新聞にも掲載されました。

 

更にもう何年も話していない、元妻のシャンティさんからも連絡があり、また一緒に暮らす事になりました。

 

 

女性の雇用と地域の振興も実現させる!

格安ナプキンの市場規模はとても大きいものになると予測されましたが、ムルガナンサムさんは自分で儲けるための道具にはしませんでした。

貧しい女性たちがナプキンを自分で製造・販売できるよう、支援するシステムを生み出したのです。

 

2005年にムルガナンサムさんは、作り出した機器を遠くビハール州まで持っていったのです。

 

↓稼働している作成光景↓

 

 

↓ドキュメンタリー↓↓

 

まとめ

ムルガナンサムさんの開発したナプキンのおかげで普及率も100%近くなり、女性向けの雇用も増えたようです。

このままシステムが捻じ曲げられず、女性の為のシステムとして稼働し続ける事を願います。