犬の民話『狼とハーモニカ』(リトアニア)

農奴権のあったころは、うちの生まれ部落ブリュイカからジウリス旦那の領地まで賦役に行ったもんだ。

ある時、村の人が、日暮れ頃、もう暗くなっていて、領地からうちは戻っきた。

シモネリスって人だが、ハーモニカを持っていた。それで、歩いているうちにドスン、と狼穴に落ちてしまった。

落ちたら中に狼がいた。狼はお座りしていたんだけど、噛み付こうとした。

シモネリスはハーモニカを吹きだした。すると狼はかかってこなくて、お座りのまんま。ウォーって吠えてる。

でも吹くのをやめるとまたかかってこようとする。仕方がないからシモネリスは一晩中吹き続けた。おかげで唇は腫れ上がったけどね。

 

朝、人々が穴を調べに来て、シモネリスを見つけた。

まず、狼を引き上げて、それからシモネリスを引き上げたんだけど、それ以来、シモネリスは「笛」ってあだ名がついたわ。

(口伝)

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チダ

チダ

ビーグル犬とインド映画が好き。 飼い犬のカブにゃんにはなめられ気味。 最近の目標はインドに行ってレポート記事を書く事。

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