インドの民話『ガネーシャ神のお祭り』

ガネーシャ神のお祭り

弟の嫁と兄嫁がいました。

一人は貧しく、もう一人はお金持ちでした。

可哀想なことに、弟の嫁は貧しかったので、兄嫁のところに行って一日中働き、兄嫁から食べ物を貰ってくるのでした。

 

ガネーシュ・チャウトのお祭り(ガネーシャ神のお祭り)の日がやってきました。

その日、弟の嫁は兄嫁から食べ物を貰ってきましたが、それを天井から吊るした網袋に入れて、

「うちの人が帰って来たら、これを食べさせましょう。私がこれを食べたら、うちの人はお腹を空かせたままになるでしょうから」

と、つぶやきました。そして、夫が帰ってくると夫にそれを食べさせました。妻は何も言わずに寝台に横になりました。

 

しばらくして、知らない男の子が一人やって来ました。男の子は来るなり、「何か食べ物ない?俺すごく腹が減ってるんだ」と言いました。

妻は、「網袋に入れておいたけれど、残っているかどうか分からないわよ。何か残っていたらお食べ」と答えました。

網袋に残っているものをとって、男の子は食べました。食べてからしばらくすると、「ちょっとこっち、来てよ」と言いながら「糞はどこで垂れるんだい?」と尋ねました。

妻は腹を立てました。散々働いて帰って来てひどくお腹が空いているのに、男の子が「糞はどこで垂れるんだい?」などと尋ねるからです。

妻はこう言いました。

「台所だろうと、部屋の隅だろうと、カマドだとろうと、好きなところで垂れな。」

男の子はそこいらじゅうに糞をしました。それから、「なんで拭いたらいいんだい?」と尋ねました。

「私の頭で拭けばいいでしょう!」

男の子は妻の頭で糞を拭きました。それから「おれ、行くね」と言って出ていました。

 

朝になって起きると、男の子が糞をしたところ全部に黄金の山が出来ていました。そして、弟の嫁が自分の髪の毛に触れてみたら、毛が金になっていました。それで金を夫と妻は集め始めました。

弟の嫁が兄嫁のところへ仕事に行かなかったので、兄嫁はこう言いました。

「どうしたっていうの!今日はどうして仕事にこないのかしら?こんなに仕事があるというのに」

兄嫁は自分の息子の一人に、おばさんを呼んで来なさいと言いつけました。

 

息子が呼びに行くと、そこで見たのは金の山でした。それを二人が集めています。

息子は家に帰って兄嫁に

「おばさんは来ないよ。おばさんのところには金がたくさんあるんで、それを集めているところだよ」

と言いました。

 

それを聞いた兄嫁は走ってやって来ました。

「これはどこから持って来たの?誰かのを盗んで来たの?押し込み強盗でもして来たの!?それとも誰かがあんたにくれたとでも言うの?」

「違うわ。でも私もよく分からないの。兄姉さんがくれた食べ物を、網袋に入れておいて、うちの人に食べさせたのよ。そうしたら、夜になって男の子が来て『腹減った、腹減った。何か食わせてくれ』って言うのよ。私は『網袋にあるのを食べたらいいでしょう』と言ったわ。

また暫くして、『糞はどこで垂れるんだい?』なんて言うのよ。私は『どこだっていいでしょう。そこいらどっかでしときなさいよ』って言ってやったわ。

次は『なんで拭いたらいいんだい』だってさ。いらいらして来たから『私の頭で拭けばいい』って言ってやったのよ。

そうしたら、その子ったら私の毛をつかんで、髪の毛でうんこを拭いたわ。それからなんと、『じゃあ、おれ行くよ』ですって。『行けばいいでしょう』って言ってやったわよ。男の子も行ったわ。

朝になって見たら、どうでしょう。黄金の山なのよ。髪の毛をつかんでみると、それも金になってる。

ああ、分かったわ!あの男の子はガネーシャ神だったのよ!」

 

それを聞いて、兄嫁はこう言いました。「一年経ったらお祭りが来るわ。ガネーシュ・チャウトの。その日、私はあんたのうちの台所仕事に来るわよ。あんたは、私たち二人には足りないぐらい食べ物をちょうだいな。私もあんたみたいにするわ」

 

次の年、兄嫁は弟の嫁のところに来ました。兄嫁は働きました。弟の嫁はお盆いっぱいに食べ物を盛って渡しました。それを持ち帰って、兄嫁は夫に食べさせ、自分のぶんは網袋に入れました。

 

夜になって、一人の男の子がやって来ました。

男の子は「腹減った、腹減った」と言いました。

「網袋に食べ物があるから、好きなだけ食べなさい」

たっぷり食べてから、男の子は「ああ、オレ、腹が痛いよ。糞垂れたい、どこで垂れるの?」

「台所だろうと、部屋の隅だろうと、カマドだやうと、好きなところで垂れな」

男の子はそこいらじゅうに糞をしました。それから「どこで拭くの?」と聞きました。

「私の頭で拭けばいいでしょう」

男の子は兄嫁の毛で拭きました。

「オレ、行こうかな」

「行けばいいでしょう!」

男の子は出て行きました。後にはそこの家じゅういたるところに糞があり、臭くてたまりません。

 

兄嫁は朝になると起きて、糞を捨てましたが、がっかりしました。

それから手を頭にやると、両方の手も糞でいっぱいになりました。

兄嫁は弟の嫁を呼びました。

すると弟の嫁は

「私は仕方なしに、イライラしてイヤイヤああしたのに、姉さんは私の真似をしたでしょう。だからこうなったのよ」

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チダ

チダ

ビーグル犬とインド映画が好き。 飼い犬のカブにゃんにはなめられ気味。 最近の目標はインドに行ってレポート記事を書く事。

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