吸血鬼伝説を考える!どうして『ヴァンパイア』はひろまったのか

いつから血を吸う悪霊伝説が始まったのか?

簡単に歴史をたどって行く。

トルコ軍との戦争

1718年、オーストリアの神聖ローマ皇帝カール6世は、トルコ軍を東ヨーロッパから駆逐した。

この直後「人の生き血を吸う悪霊伝承」は初めてヨーロッパへ伝わった。

それまでトルコ軍はトランシルヴァニア、ワラキア、ハンガリーの各地を支配しコンスタンティノープルを支配した事さえある。

また、ヨーロッパとトルコの戦争で始めの段階で「串刺し王ヴラッド」はトルコ軍に打撃をしばしば与えるが、1477年に殺され首をはねられてしまう。

それから241年トルコ軍の敗北すると勝者側は「生者へ死をもたらす事が出来る死者」の話に異常な興味を示すようになる。

この種の話はギリシャの旅人にはよく知られており、「ヴリコラカス」と言う名の吸血鬼も存在していた。

1701年死体解剖での事件

1701年1月1日、ピトン・ド・トルヌフォールというフランスの園芸家がミコノス島を訪れ、死体解剖の不思議な現場に立ち会う。

無愛想で乱暴な性格の農夫が野原で数人の男に殺害された。その死体を埋めたのに、農夫の姿を見るという噂が広まった。

家具をひっくり返したりと地味に痛手の多い嫌がらせをして行くらしい。

事件の10日後、死体に巣食っていると思われる「悪霊を追い出すためのミサ」が行われ、その後死体から心臓が取り出された。

しかし、心臓を焼いた後も幽霊は嫌がらせを続ける。最後は困った農民たちが体を丸ごと焼いたのだ。

しかし、園芸家トルヌフォールはこの事件は集団ヒステリーと信じて疑わず、この時代の人のしては大変合理的な態度を示した。

メドベジア村の吸血鬼

1718年を境にトリヌフォールの態度は変わり始める。具体的な吸血鬼の話が西ヨーロッパに届き始めたのだ。

オーストリア軍の将校の公式記録には

「メドベジア村で吸血鬼が血を吸うことにより数人が死に至ったとの報告があった。私は事情調査のため同地へ赴いた。

現地でも聞き取り調査では皆口を揃えて『5年ほど前、土地のハンガリー人でアルノド・パオレという者が干し草を積んだ荷車から落下して首を折った。また、アルノドはトルコ領でしきりに吸血鬼に悩んでいたことをよく口外していた。』というのである。また、アルノドの死後30日後災難を受けたと数人の村人が主張した。

現に四名死亡している。

そしてアルノドの肉体が腐り落ちる事もなく完全で腐敗の跡が見られず、新しい血が流れ出ていることから吸血鬼であることを悟った村人は、慣習に基づき、杭を心臓に打ち込み、死体を灰になるまで焼き、その灰を町中に巻いた。

また、アルノドの被害にあって死んだものの体も同様に処分された。」

と記されている。

本当に血を吸われたのか

これまでのことからまず気付くことは「吸血鬼」は起き上がり墓を抜け出し歩き回ったりは出来ないらしく、災厄を起こすのは彼らの霊らしいということ。

被害も喉を閉められたりと、牙で噛むという一般的なイメージからはかけ離れている。

一方園芸家のド・トルヌフォールは「数かぎりない無法を働いた」と日記に残しており、どちらかと言うとポルターガイストに似ている。

1725年の公式文書にもペーター・プロゴヨヴィッツと言う吸血鬼が登場するが、「睡眠中の人間に近づき喉を締め」ていたらしい。

ただ、不思議なことに吸血鬼に喉を締められても二、三日は生き延びている例が多く「生命力」を吸っているらしいと主張された。

夜中に徘徊する死者

フランスの吸血鬼専門家ジャン・マリニーは著書の『ヨーロッパの吸血鬼伝承』でこう述べている。

「吸血鬼という言葉が初めて出来た18世紀以前でも、ヨーロッパの人たちは死人が墓から出て生者の血を血を吸うと信じていた。ラテン語の年代記にもこの手の話が登場する。この年代記の最も古いのは12世紀、13世紀にさかのぼる。また、事件が起きた場所もヨーロッパの僻地ではなく、イングランドやスコットランドであった。」

 

死人が墓から外に出歩いた珍しい出来事

バッキンガムシャーの土地で起きた出来事である。

ある男が埋葬された晩に家に戻ってきて妻を襲う。翌日の夜も同じことが起きた。

妻は近所の人に家で夜を過ごして貰うようにたのみ、この連中の叫び声で幽霊は撃退される。(しょっぼ)

その後幽霊は町の方に行って騒ぎを起こしたのだ。「そいつ」を見た人もいたが、「そいつ」の存在感しかわからなかった人もいたため幽霊だと判断され、町の人は司祭に相談を持ちかけた。

司祭は通例通り死体を引き上げ焼いて灰にしようとしたが途中であまり好ましくないと思い、方向転換をした。免罪の証文を死体に貼り付ける事にしたのだ。以降、幽霊は外に迷い出ることはなくなった。

しかし、司祭は証文を貼るときに「死体が全く崩れていない」埋めた時のままであったと困惑したようだ。

正統派に近い吸血鬼

イングランド北東部のベリック・オン・トゥイードで金持ちの男が死に、幽霊になって近辺を歩き回った。

この幽霊はひどい腐臭を撒き散らしたので病人が続出した。そのため、即座に死体は燃やされてしまう。

吸血鬼とは言うものの…

吸血鬼とは言うものの血を吸うものの記録は一件だけで、他の吸血鬼は幽霊になって外を徘徊し嫌がらせをするものばかりである。

つまり、今で言うポルターガイストに近い。

幽霊の話が本当だとして、話に尾ひれがついて「血を吸う!」って騒がれた可能性が大きいのかもしれない。

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チビすけ
ビーグル犬とインド映画が好き。 飼い犬のカブにゃんにはなめられ気味。 インドに行くような企業案件舞い込んでこないかなあ…。